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映画『いつも心はジャイアント』公式サイト

INTRODUCTION

観た人の心に寄り添い、魂を揺さぶり続ける━
スウェーデン・アカデミー賞[ゴールデン・ビートル賞]<作品賞>含む最多3部門受賞の感動作。

2016年スウェーデンでもっとも感動を呼んだ話題作が遂に日本公開。本作は、難病を患いながら懸命に生きる青年リカルドの姿を、リアリティ溢れるドキュメンタリー・タッチで捉えつつ、障害のため話すことが困難な彼の心象風景を、巨人と美しいスウェーデンの風景を交えた独特な映像美で描く、珠玉の人間ドラマ。そのラストは、余韻と共に胸へと刻まれ、リカルドの純粋な想いは、生きているということの美しさと逞しさを教えてくれる。監督は、本作が長編デビューとなるヨハネス・ニホーム。自身の経験を基に難しい題材に挑み、世界で絶賛される感動作を生み出した。

いつも心はジャイアント いつも心はジャイアント

STORY

巨人<ジャイアント>のように強くなりたい。巨人<ジャイアント>のように大きくなりたい。
難病を抱えながらも懸命に生きるリカルドに差した、希望の光とは━。

リカルドは頭骨が変形する難病を患い、施設で暮している。父はなく、母親も精神を病み、別の施設で過ごしている。母に会うことも出来ず、特異な見た目から差別の目に晒されてきたリカルドは、辛い日々のなか、自らを巨人化した不思議な世界を空想するようになっていた。
そんなリカルドの人生は、ペタンクという球技に出会い一変する。練習を通じて、親友のローランドやたくさんの仲間を得た彼は、ペタンクの北欧選手権に出場することを決意する。大会で優勝することが出来れば、きっと母親に元気を与え、いつか一緒に暮らす事が出来ると信じて―。

【ペタンクとは】ヨーロッパで盛んなフランス発祥の球技。コート上に描いたサークルを基点として木製のビュット(目標球)に金属製のボールを投げ合って、相手より近づけることで得点を競うスポーツ。

いつも心はジャイアント いつも心はジャイアント

PROFILE

監督・脚本:ヨハネス・ニホーム Johannes Nyholm

アーティスト、アニメーター、映画やミュージックビデオの監督として国際的に活躍している。これまでに『Puppet Boy』(08)、『Dreams from the Woods』(09)、『Las Palmas』(11)という3本の短編映画を発表しており、いずれもカンヌ国際映画祭の監督週間で上映された。とりわけ社会的なタブーを破る奔放な旅人を演じる1歳の女の子を描いた『Las Palmas』の予告編は、YouTubeの再生回数が1900万回を超える記録を達成。また、同作品は2012年のサンダンス映画祭の選定作品となり、母国スウェーデンのゴールデン・ビートル賞で最優秀短編映画賞、ヨーテボリ映画祭で短編映画賞と観客賞を受賞した。監督、脚本、編集を兼任した『いつも心はジャイアント』では、長編デビュー作で、いきなりゴールデン・ビートル賞で3冠(作品賞、脚本賞、メイクアップ賞)に輝き、今後のさらなる活躍が期待されている。

いつも心はジャイアント

PRODUCTION NOTE

ヨハネス・ニホーム監督が探求したテーマと、
それを表現するために試みた演出上の挑戦

本作はリカルドが生きる現実のシーンをドキュメンタリーのようなリアルな手法で撮る一方、彼の空想世界を色鮮やかな映像で表現している。こうした作風について監督は次のように語る。「私はこの物語をドキュメンタリー形式にするために、できるだけ真実味のある環境や人々とともに撮影しました。私たちが目の当たりにする感情は本物です。そしてリカルドはこのドキュメンタリー形式にとって、大胆なコントラストを創り出しています。彼は私たちが見慣れているものや普通の人々とは大きく違っています。現実的な形式と対象を成す不条理。リカルドの外見の明らかな違いは、ファンタジーに登場する人物のように非現実的でもあります。映画が進むにつれて、彼の世界がゆっくりと普通の世界からファンタジーの世界へと変化していくのです」。
さらにニホーム監督は、リカルドに対する周囲の人々の善意が消え、彼を軽蔑し始める様を描き、そこに揺るぎない社会批判を込めている。監督は自らを“政治的な映画監督”と見なしているのだろうか。「何もかも政治的です。しかし基本的にこの映画は、自分の環境で生き残ろうとする個人を描いた作品なのです。私は人々が自分で現実に気づいていく姿を描きたいと思いました。そのうえで、何かすべてを超越したものがあるという希望を提示したいと思ったのです。どんなに物事が不快であっても、常に別世界から差し込む一条の光があることを信じて……」。

監督にインスピレーションを与えた
アストリッド・リンドグレーンの冒険小説

協力者がほとんどいないリカルドは自分の生活をうまくコントロールできず、ファンタジーの世界に住んでいる。この点に関してニホーム監督がインスピレーションを受けたもののひとつに、アストリッド・リンドグレーンが1973年に発表し、時代を超越した小説「はるかな国の兄弟」がある。物語の中に登場するナンギヤーラのファンタジー・ランドは、寝たきりの不運な少年の逃避の場所になっていた。一方『いつも心はジャイアント』では、山の風景がリカルドの内面世界を表現している。山々はごてごてと飾り立てられたような鮮やかなカラーパレットで映像化され、そこでリカルドはすべてを正すことのできる大きな力を持つ巨人になるのだ。
また、あるときニホーム監督は、ヨーテボリ映画祭の施設の中にあるキッチンの椅子から飛び上がった。そして大量生産されたポスターの中の一枚に近づいていった。それはカラフルな日没を背にし、暗いシルエットで抱き合う男と女のポスターだった。監督が語る。「そのイメージを一度も見たことがなかったら、おそらく何てパワフルなんだと思うでしょう。でも、そのポスターが低俗に見えたのは、何度も作り直されたせいで陳腐なものになってしまったからです。私はパワフルでありながら、同時に真剣に受け止めてもらえるイメージを作りたいと思いました。それが本作での挑戦でした」。

※アストリッド・リンドグレーン
スウェーデン出身の児童書の編集者と同時に児童文学作家。代表作に、「長くつ下のピッピ」「やかまし村の子どもたち」「ちいさいロッタちゃん」など。

主演俳優クリスティアン・アンドレンと
ロケーションに関する撮影の舞台裏

リカルド役のクリスティアン・アンドレンは、顔の上に著しく変形したマスクをつけて、ほぼすべてのシーンを演じた。それをつけるのに毎日3時間半もかかり、俳優としてのクリスティアンには厳しい撮影となった。「以前に『Puppetboy』(08)を作ったときは、自分でマスクをかぶりました」とニホーム監督は語る。「だから、自分の周りの人たちが何か変わったものをどんなふうに見るか、わかっているつもりです。安全に問題がないか、自分で気を配る必要があるのです」。
また、ニホームは自分が知っている場所をベースにして、本作のかなり変わった舞台設定を決めた。いくつかのシーンは、ヨーテボリとその周辺にある実際のペタンクのクラブや養護施設で撮影された。監督が語る。「自分になじみがある人たちについての物語を語るほうがやりやすいのです。私自身、ペタンクはよくプレイしますし、養護施設でも働いたことがあります。そこにはとても違う人たちが集まってきます。本当に魅力的で生き生きとした環境で、何が起こっても不思議ではないのです」。

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